Information Sharing / 情報共有掲示板

26.06.2017

 中東欧の日本語教育を支えてくださっている皆様、いつもありがとうございます。 【文化庁「日本語教育コンテンツ共有システム」】  国際交流基金が主として海外の日本語教育を支援しているのに対して、文化庁は主に国内の日本語教育という棲み分けがされているのですが、コンテンツの共有はどちらにとっても必要になってきます。「NEWS」と呼ばれる日本語教育コンテンツ共有システムは、英語表記(Nihongo Education contents Web sharing System)の略称から名付けられたものですが、「日本語教育に関する教材、カリキュラム、報告書、論文、施策資料等(「日本語教育コンテンツ」)を横断的に検索できる情報検索サイト」ということになっています。教材などは、ほとんどが無料でダウンロードできますし、コンテンツに関する概要説明も充実しているので、必要なものを探しやすいのではないかと思います。  例えば、「分類から検索」>「学習者」を見ると、数は少ないのですが、「海外在住」の大人、高等教育、子供の3つのカテゴリーがあります。そこには、「日本語でケアナビ」、「アニメ・マンガの日本語」、「NIHONGO eな」、「まるごと+」、WEB版「エリンが挑戦!にほんごできます。」などの国際交流基金のeラーニングのコンテンツも紹介されています。「JFにほんごeラーニング みなと」については、まだ紹介されていませんでした。  海外での日本語教育に活用できそうなテキストとしては、『「日本」という国』が、初級者向けPDF BOOK、上級者向けPDF BOOK、さらに上級者向け電子書籍があります。それぞれのレベルに合わせた日本語で、かなり幅広い分野にわたっている日本紹介ですので、利用価値が高いと思います。  全般的に日本国内で生活する外国人を対象に、地方自治体等が制作した教材が多いので、生活場面を中心とした初級レベルの教材が豊富に紹介されています。  フロントページの「教材の一例」のトップに紹介されている『できる?できた!!くらしのにほんご』は、英語・中国語・スペイン語・ポルトガル語・ベトナム語の各版があり、Can-doベースの場面シラバスで構成されています。テキストに準拠したポートフォリオ的な『わたしの生活ノート』や、『支援者のための活動デザインブック』も用意されているので、様々な教育機関における授業の参考にもなるのではないかと思います。  『にほんごえじてん(英語版)』は、生活レベルの基本語彙がイラストで示されているので、初級の授業では使いやすいのではないでしょうか。これは、『はじめまして にほん』というテキストに準拠する形で作られていますので、テキストと合わせて活用することもできます。  様々な場面で活用できる動画もいくつかあります。  『生活場面切り取り動画(Movie)・ 付属紙教材(Teaching materials)』は、文字通り生活の場面を切り取った動画で、ナチュラル・スピードの会話で構成される動画が豊富にあります。関連する場面や文法項目を学習したあとに、チャレンジの意味で活用することができるのではないかと思います。  『台東区に住むお母さんのための日本語学習教材・動画』は、ロールプレイ活動を動画にしたものです。ロールプレイですから現実の場面の臨場感はないのですが、逆に教室活動の参考や導入として使えるのではないでしょうか。  ところで、主として日本国内の学習者向けということですので、教材が作成された地域の情報が盛り込まれているものも多くあります。  ざっと見ただけでも、神戸市、総社市、会津若松市、豊中市、小松市、駒ヶ根市、横浜市、大和市、神奈川県、静岡県、石川県、徳島県、沖縄県等々の地域情報が見られるようですが、『石川県日本語生活会話ブック』は、音声までダウンロードできるようになっています。  また、和歌山大学の取り組みとして、『マイの和歌山大学留学』、『クリスの和歌山大学留学』)というように地域の情報を盛り込みながら留学生活に必要な日本語を学習できるテキストもあります。  以上、文化庁のコンテンツを紹介してきました。全体を見渡すかぎり、学習者の社会参加という側面が強く打ち出された内容が多いように思いました。また、Can-doを重視した課題遂行型の教材が多くなっており、ここにも時代の潮流を感じさせられました。海外における日本語教育の場合は、これとは異なる文化的背景やニーズがあるとは思いますが、自らの実践に役立つ素材を、こうしたコンテンツの中から見つけていっていただければと思う次第です。  なお、ここで紹介するコンテンツの内容につきましては、国際交流基金ブダペスト日本文化センターが積極的に同意、支持などをしているわけではありません。様々なレビューなどをご参考の上で、各自のご判断でご利用ください。