Information Sharing / 情報共有掲示板

04.07.2017

 中東欧の日本語教育を支えてくださっている皆様、いつもありがとうございます。【日本語能力試験について】 7月2日に日本語能力試験が実施されました。プレスリリースで紹介されているように、日本国内では、47のすべての都道府県、海外では35の国・地域の127都市で実施されたことと思います。皆様のお住まいの地域では、いかがでしたでしょうか。 今回は、応募者数が約46万6000人海外約31万4000人日本国内約15万2000人と、昨年同時期の試験と比べ、海外で約4万6000人、日本国内で約3万人増加しています。12月のみ実施というところもあるので、その場合、今回のその地の受験者は他の国にまで受験に行かなければならず、遠方からこの日のためにわざわざ国外に出向く受験者のこと考えると、本当に頭の下がる思いです。 ところで、このプレスリリースには、「試験結果の活用例」が三つ紹介されています。 ・「高度人材に対するポイント制による出入国管理上の優遇制度」でのポイント付与(平成29年4月よりN1に加え、N2がポイント付与の対象に) ・厚生労働省所轄の医師国家試験、准看護師試験等の受験資格認定・EPA経済連携協定に基づく看護師 ・介護福祉士候補者選定の条件インドネシア、フィリピン、ベトナム  それぞれについては、日本語能力試験ホームページの「日本語能力試験のメリット」に、もう少し詳しく書かれています。 最初の「高度人材に対するポイント制」については、法務省入国管理局のリーフレットに詳しい記載があります。この2ページ目の「ポイント計算表」によると、高度学術研究分野、高度専門・技術分野、高度経営・管理分野のそれぞれの分野に共通して、「ボーナス⑧」ではN1で15点、「ボーナス⑨」ではN2で10点が加点されることが明記されています。特に、N2については、本年4月から対象になっているということですから、その影響による今回の受験者増ということも考えられるかもしれません。  次の「医師国家試験」については、厚生労働省のホームページの「医師国家試験受験資格認定について」という項目の「申請書類9」に「日本の中学校及び高等学校を卒業していない者の場合は、日本語能力試験N1認定書と成績書の写し又は日本語能力試験N1認定結果と成績に関する証明書」と明記されています。 医師以外でも、様々な国家試験でN1が受験資格になっているのですが、日本語能力試験のホームページによれば、歯科医師、看護師、薬剤師、保健師、助産師、診療放射線技師、歯科衛生士、歯科技工士、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、臨床工学技士、義肢装具士、救命救急士、言語聴覚士、獣医師の国家試験の受験資格にN1が必要なことがわかります。准看護師試験については、都道府県ごとに試験が実施されるので、受験する各都道府県に問い合わせるようになっています。 最後の「EPA経済連携協定に基づく看護師・介護福祉士候補者選定の条件」については、インドネシア、フィリピン、ベトナムの3か国が紹介されていますが、実は国ごとに条件が異なります。受入れの枠組み自体が異なり、訪日前後の日本語研修の期間も違ってきます。ここでは、N5とN3がそれぞれの条件の基準になってきます。 この三つ以外には、「日本の中学校卒業程度認定試験で一部の試験科目の免除が受けられる」ということがあります。文部科学省のホームページで、今年度のものはまだ公表されていませんが、昨年度の「平成28年度就学義務猶予免除者等の中学校卒業程度認定試験受験案内」では、「7 試験科目の一部免除等」の「2外国籍等の受験者だけを対象としたもの」「イ特例措置の内容」「2.技能審査の合格による国語の試験の免除」の項目に、「N1又はN2平成22年3月31日までの試験では1級又は2級」で国語の試験が免除になることが明記されています。 以上の公的なメリットについては、日本語教育に携わるものとしては、正確に把握しておく必要があるでしょう。もちろん、それ以外の部分で、学習者の人生の重要な部分に関わる留学や企業への就職などについては、それぞれ個別に対応していかなければならないことは言うまでもありません。 ところで、こうした実利的な目的以外に、趣味で受験したり、コミュニケーションを楽しむために自分の日本語のレベルを確認したいという目的で受験したりする人々も多いことを忘れてはなりません。これについては、国際交流基金のホームページに、カナダの世界的なフィギュアスケート選手であるケヴィン・レイノルズさんへの特別インタビューが紹介されています。ケヴィンさんは、N5からN2までを順に受験しながら、自分の日本語レベルをチェックしていったと語っています。現在はN1をめざして勉強中であるということです。この内容は、国際交流基金が運営するウェブマガジン「をちこちMagazine」でも紹介されています。ケヴィンさんのような自律的な学習者たちにも、日本語能力試験をどんどん利用していってもらいたいと思います。