日本語教育における卒業論文作成のサポート ー自律学習支援の観点からー(中東欧日本語教育研修会2017)

28.02.2017

内川かずみ
ハンガリー
エトヴェシュ・ロラーンド大学(ELTE)
 本発表は、日本語授業の中に学習者の卒業論文作成のサポートを自律学習支援的に取り入れることを提案するものである。まず、自律学習の意義に関する発表者の意見を述べる。次に、日本語授業で卒業論文作成のサポートをする理由を説明する。最後にその方法を提案する。
 卒業論文の作成はもともと自律的に取り組むものだと考えられる。学習者ごとにテーマが違うため、自分で計画を立て、資料を集め、研究を進めなければならないからである。しかし、ボローニャ・プロセスにより他の多くの大学同様、弊学でも学生はそれまでの5年間から3年間で卒業論文を執筆しなければならないようになり、多くの学生は時間に追われてよい研究が目指せず、締切に間に合わせるのが精一杯というのが現状である。
 青木(2010)では自律学習を助けるための条件として①学習の計画・実行をサポートするツール(例:日本語ポートフォリオ)、②学習者が学び方を学ぶためのサポートをするアドバイジング、③学習に必要なリソースに自由にアクセスできる場 を挙げている。発表者はそれを卒業論文執筆のサポートに応用しつつ、日本語能力も伸ばしたいと考えた。例えば『日本語ポートフォリオ 改訂版』(青木2006)を参考に日本語授業で使うための卒業論文ポートフォリオを作成したので、発表で紹介したい。