発表05 「反復練習の必然性を生む仕掛けづくり」 黒田朋斎 ルーマニア ブカレスト大学

19.08.2016

本発表では授業協力者の存在が学習者に自発的に反復練習を行わせることに注目した。
言語を習得するためには言語知識を記憶しその使用を自動化しなければならないが、そのためには反復練習が有効である。一方、学習者にとっては反復練習はおもしろいとは言い難く、練習へのモチベーションを生起させるのが困難である。そのため、教室内では反復練習を教師が「強制」し、学習者が「やらされる」状況が生まれやすい。このような状況下では反復練習の効果は薄いだろう。しかし、学習者は必然性があれば自ら反復練習を行う。
その例として、ブカレスト大学日本語専攻3年生で実施した結婚お祝いビデオレター制作のプロジェクトを紹介する。学生が日本人留学生へのビデオレターを制作し、その留学生とともに見る活動である。実施後のリフレクションでは、原稿を20回以上音読した学生がいたことが確認された。 日本人留学生の存在が「良いビデオレターを作りたい」という動機に繋がり、原稿を繰り返し読む練習をする必然性を生んだと思われる。
反復練習は、その重要性は認識されつつも学習者にとってはモチベーションを生起させにくい。しかし、必然性があれば、学習者は反復練習を厭わない。必然性を高める手段として授業協力者の介在は有効であろう。